それは、4月下旬のある日の朝のこと、夫婦で鈴鹿の山へ登山に出かけようと、着替えをしていた時に起こりました。連れ合いの左膝が曲がらなくなってしまったのです。
後に、これは、“ロッキング”という症状だったと知るのですが、その時までにもたびたび起こっており、連れ合いはその都度“こむら返り”の一種だと思い、自分で修復していました。ところが、今回は治らず、急遽登山は中止し、整形外科をはしごすることになりました。
結局、紹介されたクリニックでMRIを撮って、“左膝半月板断裂”という診断が下り、5月下旬、末盛の整形外科病院で、内視鏡による“半月板縫合手術”を受けることになり、10針縫いました。
里山の保全活動、町内の公園掃除や花壇の世話、畑仕事、登山やウォーキングなど、リタイア後はアウトドア生活を満喫していた連れ合いにとって、それはまさに晴天の霹靂でした。
9日間の入院を経て、自宅へ戻ったのち7月下旬までは松葉杖の暮らしとなり、退院直後は左足は加重ゼロが命ぜられ、不自由な生活となりました。
まず、2Fの寝室への階段を使っての移動は無理、といういうことで、介護用のレンタルベッドを借りて、1Fの和室で暮らすことに。家の中の移動にしても、障害物があったりすると危なく、もっぱら読書とリハビリに励む日々となりました。
その影響で、私は家の中の家事全般と外周りの仕事(庭仕事、畑、公園花壇の世話など)を一手に引き受けることになり、かなりへとへと…。
夏の間の2ヵ月半ほどの松葉杖生活を終え、今では平地は普通に歩けるようになっていますが、まだリハビリは続いていますし、以前のようなアウトドア活動の再開はさらに少し先のことになりそうです。
私自身も3年ほど前に手首を骨折したこともあり、手が自由に使え、自分の足で自由に動けることのありがたさはよくわかっていたつもりでしたが、今回のようなことがあると、近い(?)将来、移動や家事が自由にできなくなることも想定しておかねばならない、などと思うようになりました。
狭い家なので、車いすでの生活を想定した改築は難しいかもしれませんが、手すりの設置などは今からやっておいた方がよさそうです。そして、リタイアし、時間に余裕ができたからといって、活動の領域を広げ続けるのではなく、オーバーワークにならないよう、「汝、自らを知れ」という古い言葉を折々思い出しなどして、我が身を振り返ることが肝要かと思うようになりました。
今回のアクシデントが、老後の生活のためのちょっとした予行演習だったと、笑って話せるようになれるとよいのかなと、今は思っています。(M)
2021年09月16日
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