2022年10月14日

久々の涸沢カール

涸沢カール20221005.jpg
途切れた年がありながらも、若い頃から夏には夫婦で北アルプスあたりへ登山に出かけていました。仕事をリタイアし、時間ができたのでいつでも山へ行かれると思った途端、コロナ禍のもと、密を避けられない山小屋泊の登山はためらわれ、この2年間は宿泊を伴う登山を自粛していました。
この夏は行動制限もなくなり、そろそろ夏山登山を再開しようと考えたところ、天候が安定せず、また、あてにしていた山小屋の従業員にコロナ感染者が出て営業自粛に、などということが続き、機会を逸してしまいました。
“かくなるうえは紅葉の山へ!”ということで、久々に涸沢カールへ行こうと思い立ったところ、今度は涸沢の2軒の小屋の予約が取れません。昔は「こんにちは、お世話になります」と言えば、山小屋は予約なしでも泊めてもらえるものでしたが、時代が下るにつれ、だんだん予約制になってきて、コロナ以降は完全予約制になってしまいました。おまけに、睡眠時身体を横向きにし、隣の人の足が顔の前にくるというようにするなどして、入るだけ登山客を押し込むという従来のようなことはなくなり、山小屋と言えど、一人ずつのスペースを一定確保するようになったため、収容人数が大幅に減ってしまったのです。

さて、涸沢カールにある山小屋は希望日の1か月前の同日午前8時から電話での予約受付開始。何度かけても、ずーっと話し中が続きます。1時間後にようやく繋がったと思ったら、もう満室!
がっかりです。
そんな事情で涸沢カールでの宿泊を諦めました。そのかわり幸いにして、涸沢カールへの登り口であり、上高地の一番奥の横尾山荘に前泊し、涸沢カールからの下山後は同じく上高地内の徳沢ロッヂに泊まるという日程を組むことができました。ところが、天気は出発の前日まで続いた晴天が全国的に崩れるという展開になりました。久々の涸沢カールへの道は、厚い雲の下、小雨の中を歩くことになってしまいました。横尾小屋を出発し、登ること3時間ほどで、目指す涸沢カール(2,300m)に到着。到着した時は雨が上がっており、色づいたナナカマド、ダケカンバと穂高連峰の稜線をかろうじて見ることができました。

若い頃に見て心に焼きついている“青空に真っ赤に色づいたナナカマドと穂高の山々”をもう一度見たいと思って歩いたのに、今回は叶いませんでした。でも、若い頃、涸沢カールを通って、奥穂高岳や北穂高岳へ(時には土砂降りの雨の中を)何度か登ったことを思い出していました。
紅葉で色づいた涸沢カールと荒々しい岩山のコントラストはまことに美しく、実に雄大です。この季節になると新聞の写真やテレビなどでも見ることができますが、やはり実際にその場に身を置き、目の当たりにするのとではまるで違います。そのような大自然の中に身を置くことは、これからもできる限り続けていきたいと思います。涸沢カールまでは上高地の河童橋から6時間、この夏にも高齢者の山岳遭難のニュースをよく耳にしましたので、涸沢カールから先の険しい道へ行くことは少しためらわれますが、これからも体力にあった山歩きを続けていきたいと改めて思いました。(M)
posted by blogstaff at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常風景
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