2022年11月06日

名フィル第506回定期演奏会 マーラー『復活』

11月4、5日、グリーン・エコーは名古屋フィルハーモニー交響楽団第506回定期演奏会 マーラー交響曲第2番『復活』に出演させて頂きました。満点とは言えないですが、精一杯、歌いきることができ、この機会をくださった名フィル様と聴いてくださったお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。

コロナの影響で2年延期されていたプログラムで、この間の合唱活動の難しさはこのブログでも折りに触れお伝えしてきました。『復活』の合唱は、非常に繊細な冒頭部分から大音響のフィナーレへと、とても起伏が激しく、現在のグリーン・エコーだけでは表現しきれないと判断しました。そこで名古屋コール・ハーモニアの皆様へ共演をお願いし、快くお引き受けくださったのは本当にありがたく心強いことでした。

本番は、小泉和裕先生の指揮とオーケストラの演奏、そして素晴らしいソリストの歌声に魅了されているうちに、5楽章が到来。いろんな曲で、合唱団が歌う少し前に一斉に立ち上がるという場面がありますが、この曲のそのシーンは、最高にかっこいいものの一つではないかと個人的には思います。正面客席に陣取る私達が立ち上がる直前にライトアップされ、いやが上にもボルテージが上がります。

とはいうものの、自分自身は感じたことのない緊張感で立つ前から足が震え、立ち上がっても止まりません。小泉先生を見ても明るく光るライトを見ても、困り果てて南無阿弥陀仏と心のなかで唱えてもダメ。会場の気迫に飲まれてしまったかのようでした。しかし、管楽器の奏でるナイチンゲールの声が止み静寂が訪れ、深く吸ったその息でAufersteh'nとささやいた瞬間、震えがピタリと止まりました。歌うことで、ホール全体の空気と自分が一体になれたように思います。

そこからはあっという間。あの大人数のオケが必死で奏でる大音響に負けじと、合唱団全体、皆が120%の力で声を振り絞ったと思います。気づいたら、万雷の拍手。こんなに大変でも、もう終わってしまったのだと、ただただ思うほど、甘美な時間でした。

小泉先生が今季を限りに名フィルの音楽監督を退任されるということで、惜別の思いで聴きに来られたお客様も多かったことと思います。Twitterでも、良い演奏だったとの感想を目にして、何とか役目を果たせたかと、ホッとする思いです。私が一番嬉しかったのは、ひとの声はいいな、という旨の感想でした。もちろんソリストが素晴らしく、そのことについてが大半だと思いますが、合唱団員全員が、今、歌えるって嬉しいな、と心の底から感じているはずです。

まだコロナについて油断は禁物で、様々な事情で舞台に立てなかった仲間もおり、決して完全復活、ではないものの、今回このような演奏を経験できたことは、これからの合唱活動にとって大きな自信になると思います。心のこもった質の高い演奏をできるよう、また練習を積んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。(A)
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2022年10月29日

「ナーズム・オラトリオ」

先月になりますが、グリーン・エコーの元指揮者高橋昭弘さんが、合唱指揮をする「ナーズム・オラトリオ」を市民会館で歌いました。
練習が始まった4年前には、ナーズム・ヒクメット(作詞)も、ファジル・サイ(作曲)も?の状態でしたが、練習日ごとに配布される、高橋さんの情熱あふれる膨大な資料を読むうちに身近になり、トルコのドラマにもハマっていきました。

演奏会前日には高橋さんの熱意とセンスあふれる素敵なプログラムが配布され、チケット委員の「さらにもう1枚を!」という呼びかけもあり、「ナーズム・オラトリオ」合唱団の一員としての一体感が高まりました。
当日は4年間も慣れ親しんだ曲目を、これで最後と愛しむように歌い上げることができました。
高橋さんと共通する大学時代の同期生・後輩からは、終演と同時にブラボーメールが続々と届き、懐かしくも幸せな数日間でした。

そして10月29日の朝日新聞名古屋版に、名古屋男声合唱団の写真と共に高橋さんのやさしい笑顔が掲載されました。
ナーズム・オラトリオと並行して、引き揚げ体験を歌う創作曲「棄民」を10年近く準備してきた様子が読み取れる記事です。

高橋先輩の指揮でこれからも歌う機会はありそうです。
次のお誘いを楽しみにしています!! (U)


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2022年10月14日

久々の涸沢カール

涸沢カール20221005.jpg
途切れた年がありながらも、若い頃から夏には夫婦で北アルプスあたりへ登山に出かけていました。仕事をリタイアし、時間ができたのでいつでも山へ行かれると思った途端、コロナ禍のもと、密を避けられない山小屋泊の登山はためらわれ、この2年間は宿泊を伴う登山を自粛していました。
この夏は行動制限もなくなり、そろそろ夏山登山を再開しようと考えたところ、天候が安定せず、また、あてにしていた山小屋の従業員にコロナ感染者が出て営業自粛に、などということが続き、機会を逸してしまいました。
“かくなるうえは紅葉の山へ!”ということで、久々に涸沢カールへ行こうと思い立ったところ、今度は涸沢の2軒の小屋の予約が取れません。昔は「こんにちは、お世話になります」と言えば、山小屋は予約なしでも泊めてもらえるものでしたが、時代が下るにつれ、だんだん予約制になってきて、コロナ以降は完全予約制になってしまいました。おまけに、睡眠時身体を横向きにし、隣の人の足が顔の前にくるというようにするなどして、入るだけ登山客を押し込むという従来のようなことはなくなり、山小屋と言えど、一人ずつのスペースを一定確保するようになったため、収容人数が大幅に減ってしまったのです。

さて、涸沢カールにある山小屋は希望日の1か月前の同日午前8時から電話での予約受付開始。何度かけても、ずーっと話し中が続きます。1時間後にようやく繋がったと思ったら、もう満室!
がっかりです。
そんな事情で涸沢カールでの宿泊を諦めました。そのかわり幸いにして、涸沢カールへの登り口であり、上高地の一番奥の横尾山荘に前泊し、涸沢カールからの下山後は同じく上高地内の徳沢ロッヂに泊まるという日程を組むことができました。ところが、天気は出発の前日まで続いた晴天が全国的に崩れるという展開になりました。久々の涸沢カールへの道は、厚い雲の下、小雨の中を歩くことになってしまいました。横尾小屋を出発し、登ること3時間ほどで、目指す涸沢カール(2,300m)に到着。到着した時は雨が上がっており、色づいたナナカマド、ダケカンバと穂高連峰の稜線をかろうじて見ることができました。

若い頃に見て心に焼きついている“青空に真っ赤に色づいたナナカマドと穂高の山々”をもう一度見たいと思って歩いたのに、今回は叶いませんでした。でも、若い頃、涸沢カールを通って、奥穂高岳や北穂高岳へ(時には土砂降りの雨の中を)何度か登ったことを思い出していました。
紅葉で色づいた涸沢カールと荒々しい岩山のコントラストはまことに美しく、実に雄大です。この季節になると新聞の写真やテレビなどでも見ることができますが、やはり実際にその場に身を置き、目の当たりにするのとではまるで違います。そのような大自然の中に身を置くことは、これからもできる限り続けていきたいと思います。涸沢カールまでは上高地の河童橋から6時間、この夏にも高齢者の山岳遭難のニュースをよく耳にしましたので、涸沢カールから先の険しい道へ行くことは少しためらわれますが、これからも体力にあった山歩きを続けていきたいと改めて思いました。(M)
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2022年10月03日

声磨きの旅

発声や歌い方のYouTubeにハマっています。発声を指導するYouTube は以前からもありましたが、最近、とても多くなった気がします。
特に気に入っているのがバリトン歌手車田和寿さんの「歌の翼に」というレッスンとリリカ兄弟というお二人の投稿です。
「歌の翼に」はシリーズもので発声を中心に往年の歌手たちの発声のサンプルなどを使ってわかりやすく解説してくださっています。リリカ兄弟はイタリアで活動中のテノールのお二人で、声の出し方をそれぞれの言葉で語っておられます。同じテノールなのに声の出し方はそれぞれなんですね。
他にもいろんな声楽家のYouTubeを見ていますが、みなさん、自分が留学したり実践で身につけた知識を惜しげもなく披露してくださっています。しかも映像、音声付きですからわかりやすい。
ここまで教えてもらっていいんですかって思いで見ることもよくあります。中には、本当は教えたくないと銘打ちながらの投稿あります。思わず納得してしまいます。
高い声や大きな声が出るようになると合唱はますます楽しい。これからも声磨きの旅は続きます。(と)
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2022年09月20日

3年ぶり

アルト12人程のグループで2008年から毎年8月末に出掛けていた木曽音楽祭も新型コロナで20年21年と中止でしたが、今年はやっと開催、3年ぶりです。JR木曽路フリー切符のおかけで、ワイドビューしなの指定席券タクシー券、お買物券も付いてくるお得感満載旅行。木曽福島でタクシーに乗り会場に向かいコンサートを楽しみました。
コンサート後は隣接宿泊施設(宿泊にはワクチン3回目接種証明書必要)でゆったりと夕食。隣なので移動しなくても良く本当に便利でありがたいです。食後は、せせらぎの音を聞きながら夜の散歩。いつもの満天の星は今回見られず残念。
朝散歩では草花を愛でながら道端の100均無人野菜を買うのも楽しみ。
お昼は木曽福島で定番和食処。例年、手仕事市で賑わう界隈も今年は次週開催でヒッソリ。コンサート会場でもお土産品の販売、外では朴葉寿司、お焼き、とうもろこし等の販売も無く少し寂しいロビーです。
でも、木曽音楽祭でコンサートを聴くことが出来、本当に嬉しい。

アルプホルンでコンサート開幕です。
ブラームス:弦楽五重奏曲第1番へ長調op.88
ドホナーニ:六重奏曲ハ長調op.37
アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番イ短調 op.35
ファランク:九重奏曲変ホ長調op.38
フランク:ピアノ五重奏曲へ短調
ベートーヴェン(中村克己編):交響曲第7番 イ長調op.92(管楽合奏版)
クログルスキー、コルンゴルド等全9曲。

どの曲にも魅せられ万雷の拍手。いけないけれど感極まりのブラボーも聞こえます。
日本のトップアーティストが奏でる最高級のクラシック。

本当に素晴らしい木曽音楽祭。 来年も是非!と、宿の予約をしました。(あ)
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